組織について
設立趣意
変動する社会において、生涯を通じて学び続ける資質・能力を身に付け、予測困難な時代の社会と世界に貢献できる学生をいかに育てるか、これは大学をはじめとする高等教育機関の共通課題です。そのために我々は、eポートフォリオによって学修成果を可視化し、それを開示して社会の声を反映し、教育の質保証につなげていくことを提唱してきました。
2018年11月文部科学省中央教育審議会で取りまとめられた「2040年に向けた高等教育のグランドデザイン(答申)」においても、学修成果の可視化と情報公表は、「学び」の質保証を再構築する重要な方策として位置づけられています。
しかし、実際に可視化の方法や質保証の仕組みを構築することは容易とは言えないため、個々の教育機関が独自に模索するだけではなく、多様なバックグラウンドをもった教育機関が互いに情報を提供し、共有可能な手法や技術を利用し合える環境作りが必要であると考えます。
そこで、教育の可視化や質保証,学生の成長に関する情報交換や議論、意見交換、相互連携を推進・支援することを目的に、高等教育機関および産業界から会員を募りコンソーシアムを設立します。
コンソーシアムにおける議論や協働を通じて、eポートフォリオの手法や技術を発展させ、学生自身による学びの振り返りを基盤とした学修成果の可視化によって、学修の質の向上を図ります。さらに、教育の質保証および教学マネジメントへの学修成果の可視化の活用を推進し、教育改革の情報を社会に公開することにより、我が国の高等教育機関における教育システムの高度化に資することを目指します。
2019年3月
九州工業大学 学長 尾家祐二
活動計画
本コンソーシアムでは、次に挙げる5つを主な事業とし、異なる教育機関あるいは企業が協働して行う具体的な取組として次の活動を実践します。
1.eポートフォリオによる学修成果を可視化する手法や技術の発展を図る活動
(1) 教育機関が実践している教育の可視化を推進する手法や技術の開発
(2) 教育の質保証および教学マネジメントに活用する仕組みの開発
2.学びの質保証に基づく学修の質の向上を図る活動
(1) 学修者本位の教育に関する社会評価を取り込む仕掛けの構築
(2) キャリア形成の実績や好事例への活用を推進する活動
3.教育の質保証の取組等、教育改革の情報を社会に公開する活動
(1) 可視化された教育情報の社会へ発信する仕組みの構築
(2) 教育機関が実践しているICT 応用の好事例の周知と推進
4.シンポジウム・フォーラム等の開催
(1) 年1 回程度の開催による組織化、情報発信および社会評価の実践
5.その他目的を達成するために必要な事業
年度計画
初年度
(1) 教育の可視化を課題とする教育機関が共同する場を設置
(2) 教育を可視化する取組や手法、技術の検討および情報交換
(3) シンポジウムやフォーラムを開催して、情報発信と組織化の推進
2年目
(1) 教育を可視化する手法や技術の大枠を設定
(2) 可視化された教育情報を社会に開示する仕組みを検討
(3) 産業界からの参加を呼び掛け、意見を徴収する環境を整備
(4) シンポジウムやフォーラムを開催して、情報発信と組織化を推進
3年目
(1) 教育を可視化する手法や技術の大枠に関する情報の発信と共有
(2) 教育の可視化の取組を社会に周知させ意見交換する場を提供
(3) シンポジウムやフォーラムを開催して、情報発信と社会評価の実践
4年目
(1) 教育を社会に開示するツールの構築
(2) 社会評価を教育に取り込む方法の検討
(3) キャリア形成における好事例の発掘とそれに基づく教育の社会的質保証の検討
(4) シンポジウムやフォーラムを開催して、情報発信と社会評価の実践
5年目
(1) 社会と連携した人材育成のPDCA の整理と実践
(2) シンポジウムやフォーラムを開催して、情報発信と社会評価の実践